『「青天の霹靂」真価問われる2年目の販売 』




 市場デビュー2年目を迎えた青森県産ブランド米「青天の霹靂(へきれき)」の2016年産米の全国一斉販売開始から10日で半年となる。16年産霹靂は生産量が15年産の約3倍に増え、初めて通年販売となる見通し。農協、小売り関係者は17年産米が出回る前の9月中には店頭での販売が終了するとみている。今後は「夏場に食味が落ちないか」「リピーターがどれくらい増えるか」(小売り関係者)などが焦点となる。

 16年産霹靂の販売計画数量は7481トン(県外5259トン、県内2222トン)で首都圏など県外での販売に比重が置かれている。全農県本部などの出荷団体と卸売業者の販売契約は1月末までに全量で成立した。

 16年産から霹靂の取り扱いを始めた東京都のコメ専門店「カワサキ森田屋」の川崎好之社長は「15年産米は話題で買った人が多いと思うが、消費者は長期間食べると、味を評価するようになる。1年間、『飽きない味』として評価を確立できるかが重要なポイント」と今後の販売を展望する。

 16年産米は2月に日本穀物検定協会主催の食味ランキングで最高評価「特A」を取得したが、県内外の小売店によると、販売動向に大きな変化はないという。

 全国の銘柄米を扱う東京都のコメ専門店「山田屋本店」の秋沢淳雄社長は「テレビで大々的に取り上げられたわけでもなく、(特A取得を)知らない消費者もいる」と冷静に受け止める。

 霹靂の知名度は上がってきている-と評価した上で「低温保管しても、品種の特性によって夏場に食味が落ちることがあり、コメが持つ本当の力が問われる」と注目する。

 イトーヨーカドー青森店(青森市)では現在、霹靂の1週間当たりの販売数が40~50袋で推移。10月の販売開始当初と比べると販売ペースが落ちている。ただ、1カ月の販売金額でみると、入荷量が少ないにもかかわらず、価格が高めなこともあり、つがるロマン、まっしぐらの県産米主力品種に次ぐ水準を維持している。

 成神慧・加工食品担当マネジャーは「15年産米は品切れとなることが多く、15年12月で完売した。消費者にとって食べたいときに買えることは大きく、継続して購入するお客さんも出てきている」と語った。



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